次期社長の甘い求婚
「大丈夫、美月に好きな人がいたってちゃんと聞いていただろ? それに彼なら納得。……評判はよく聞いていたから。だからそんな怯えた顔するな」


「神さん……」


私を落ち着かせるようにそっと抱き寄せ、背中を優しく撫でてくれた。

その行為に胸が高鳴る。


「それに今、美月が好きなのは俺だろ?」


少しだけ身体を離し顔を覗き込んでくる彼に、面食らってしまう。


けれどそれは彼の言う通り。
今、私が好きなのは鈴木主任じゃない。――神さんだ。


恥ずかしくなるもコクリと頷くと、神さんはどこか安心したように小さく肩を落とした。


「よかった。ここで違うとか言われたら、どうしようかと思ったよ」

「そんなっ……! ……そんなこと言うわけないじゃないですか。私が好きなのは、神さんです」


神さんを安心させたい一心で言ったものの、目をパチクリさせる彼を前に、カッと顔が熱くなってしまう。


本当のことだけど、いざ本人を目の前にしてよく言えたものだ。

時間が経てば経つほど、恥ずかしさが増してしまう。


「ほっ、本当のことですからねっ!」
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