次期社長の甘い求婚
嬉しい言葉に心が震えた。


「それとさ、引かれそうだったからもう少ししてからと思っていたんだけど……」


そう言うとさっき持ってきたジャケットのポケットの中から、何かを取り出し私に差し出した。


「これは……?」


差し出されたものと神さんを交互に見つめてしまう。

だって目の前に差し出されたのは、可愛くラッピングされた小さな箱だったのだから。


すると彼は私の瞳を捉えたまま言った。



「美月と出会ってまだ間もないし、付き合い始めて一ヵ月も経っていないけど、俺は美月と出会えたのは運命だと思っている。……こんなに人を好きになったのも、これから先もずっと一緒にいたいと思うのも、美月だけだから。……この気持ちは一生変わらない自信がある」


神さん……。


「よくお互いのことを分かり合ったり、一緒に暮らしたりしないと分からないって聞くけど、俺は一緒に過ごした時間は関係ないと思っている。……大切なのはお互いの気持ちだって思っているから」


熱い視線を向けられたまま、神さんはそっと私の手にラッピングされた箱を渡してきた。



「たった数ヵ月だけって分かってはいるけど、その数ヵ月間さえ離れているなんて、考えられないんだ。俺はまだまだ半人前だし、今は仕事を覚えることが先決だって理解しているけど、それでもやっぱり美月と一緒にいたい。美月がそばにいてくれたら、なんでもできそうな気がするんだ」
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