次期社長の甘い求婚
こうやってふたりっきりになるのは初めてだし、なんかこう……私を見る目が甘いと言うかなんというか……。
照れ臭くて、恥ずかしくてなんとも言い難い気持ちにさせられてしまい、視線は自分の膝元へ向いてしまう。


さっきはいきなり現れてカッとなっちゃっていたけれど、こうやって冷静に考えてみるとじわじわと実感させられる。

この人が私のお父さんなんだって。


そう思えば思うほどますます気恥ずかしくなって、顔を上げられなくなってしまう。


「本当、大きくなったな。……まだまだ子供だと思っていたのに、結婚すると聞いた時は腰を抜かしそうになったよ」


穏やかに話す声に、ゆっくりと視線を上げた。


「本当は父親として祝福してあげたいところだけど、相手が相手だからな。……すまない、素直に祝ってやれなくて」


申し訳なさそうに謝る姿に、さっきは怒りが込み上げてしまったけれど、その理由は何だろうかと気になってしまった。


お父さんと神さんが同じ立場だから?


「あの……どうして反対なんですか?」


気になってしまい問いかけると、その理由を話してくれた。
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