次期社長の甘い求婚
久し振りに会ったからかな? 神さんがかっこよく見えてしまう。
会ってからずっとドキドキしっぱなし。


そして改めて実感させられてしまう。

あぁ、私はやっぱりこの人が大好きだなって――。



「美月、何作ってくれるの?」

「それは出来てからのお楽しみです」


神さんの車でやってきたのは、二十四時間営業の大型スーパー。

彼もよくここのスーパーを利用しているとか。


夜遅い時間ということも会って、客足はまばら。

そんな中、神さんにカートを押してもらい、次々と食材をかごに入れていく。


「それにしても本当にいいのか? せっかく来たのにどこにも行かず、明日は家でのんびり過ごすだけで」


カートを押しながら、確認するように聞いてきた神さん。


「はい、それがいいんです」

そんな神さんに笑顔で答えた。


以前から彼に言われていた。
青森に来てどこか行きたいところあったら、遠慮なく言って欲しいって。


最初はせっかくだし、ふたりで観光名所を回ってデートしたい……とも考えたんだけど、会える時間は金曜日の夜から日曜日の昼まで。
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