次期社長の甘い求婚
すると神さんはフッと笑みを漏らし言った。


「……あれ、今でも覚えているんだ。そしていつも問いかけてきた。美月にとって今の俺は“王道ヒーロー”か?って」


背中に回っている腕の力が強まり、彼の真剣な瞳が私の目を捉えて離さない。



「それは今も同じだし、これからもずっとだ。……俺はこれから先もずっと美月にとってただひとりのヒーローになりたい。三年前、プロポーズしたときの気持ちとなにひとつ変わっていない。世界で一番幸せにする。俺と平凡で幸せな家庭を築いて欲しい」



一呼吸置き、神さんは惚れ惚れしてしまうほどの笑顔で囁くようにいった。


「美月……俺と結婚しよう」



神さんっ……!



「はい……はい!!」


何度も頷くと神さんは嬉しそうに顔を綻ばせる。
その笑顔に胸は締め付けられるばかり。



「三年前の俺にはなにもなかったけれど、今は大丈夫。美月のこと全力で守れる。嫌な思いもさせないよ」

「キャッ!?」


そう言うと神さんは私の腰に両腕をしっかり回し、抱き抱えた。
宙に浮いた途端、咄嗟に神さんの首元に腕を回してしまう。


初めて見下ろして見る愛しい人は、蕩けてしまうくらい甘い瞳で私を見つめている。
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