次期社長の甘い求婚
「イケメン御曹司……ねぇ」


庶務課に戻る廊下で、ポツリと声が漏れてしまった。


この半月の間に、何度か私も噂の恭様を見たことがある。

みんなが騒ぎたくなるほど、いい男だと思う。

容姿も完璧、家柄も申し分なし。おまけに御曹司という肩書付き。


恋愛小説の中でいったら、まさに王道ヒーローだ。


けれどごめんなさい。
王道ヒーローには、全く興味がありません。



理由その①。

御曹司様なんて、身分の格差がありすぎて無理。
仮に付き合えたとしても、カルチャーショックを受け、あまりの格差に打ちのめされてしまいそうだ。


理由その②。

さっき先輩達が話していたように、特定の彼女を作らない遊び人だから。
いくら全てが完璧でも、遊び人なんて論外。


理由その③。

それは私の生い立ちにある。


だから先輩達に言った言葉に嘘はない。

本心で全く彼には興味ないのだから。
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