次期社長の甘い求婚
問い詰められている状況に、焦りが増していく。


落ち着け自分。
泳ぎそうになる目を再度神さんに向ける。


「じゃあ逆に聞かせて下さい。どうして神さんはそこまで私のことを? ……はっきり言って神さんならより取り見取りじゃないですか。なにも私を選ぶことないですよね?……それとも神さんになびかない私が珍しいから、ですか?」


「そんなわけないだろっ」


切り込んだ問いかけに、神さんはすぐに声を荒げた。


シンと静まり返る室内に響いた声に、身体が過剰に反応してしまう。


「……っ、悪い」


すぐに謝罪されたものの、顔を上げられなかった。


まさかここで怒るとは思わなかったから。


じゃあどうして怒っているの? 私に図星を言われたから? それとも――違うから?


気持ちばかりが空回りしていく中、神さんはゆっくりと訴えかけるように話し出した。


「なぁ、どうしたら俺が本気だって信じてくれる?」


切なげに放たれた声に、胸が飛び跳ねた。
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