次期社長の甘い求婚
「以前にも言いましたが、私はあなたに興味などありません」


もう一度はっきり言わないと。
その思いで真っ直ぐ目を見て伝えると、神さんは真剣なまなざしを向けてきた。


「だからこうして食事に誘っているんだろ? ……最初から興味を持ってもらおうとは思っていないから」


引き下がらない彼に、戸惑ってしまう。


「長期戦でいくつもりだよ。それともう一度言っておくけど、俺は本気だから。……だから遊びだけの関係は一掃したし、今後もするつもりはない」


あまりに神さんが真剣な面持ちで話すものだから、不覚にも胸がときめいてしまった。


なっ、なんでここでドキッとしちゃうのよ。
そんなこと言われてときめいている場合じゃない。困るのに、なにやってるの?


慌てて自分を奮い立たせ、神さんと向かい合う。


「それでも困ります。私が神さんを好きになることは、絶対にありえないことですから」


断言するように言った瞬間、神さんの額がピクリと動いた。


「――は、なにそれ。どうしてキミは絶対ないと言い切れるわけ?」


怒りを含んだ声に思わず怯んでしまう。


「それっ、は……っ」

「それは?」
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