次期社長の甘い求婚
「いいえ、気にしないで下さい。それよりも早く片付けちゃいましょう。でないと今日も残業確定になってしまいますよ?」


高鳴る胸を押さえ平静を装って言うと、途端に鈴木主任は慌て出した。


「小野寺さんの言う通りだ! 今日ばかりは残業するわけにはいかないんだ」


残業するわけにはいかない理由は、聞かなくてもなんとなく予想できてしまい、勝手に胸を痛めてしまう。


「じゃあさっさと終わりにしてしまいましょう」


もちろん勝手に抱いた感情は決して表に出さず、資料を拾い上げた。




鈴木主任は、まさに私の理想の男性だった。


仕事ができないしドジッ子。けれど誰よりも優しくて、気遣いのできる素敵な人だ。


本人は無自覚かもしれないけど、みんな鈴木主任の人柄に癒されているに違いない。
私だってそのうちのひとり。

そばにいるだけで、穏やかな気持ちになれるの。
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