次期社長の甘い求婚
私の理想は、平凡だけどささやかな幸せを感じることができる人と、一生一緒に添い遂げたい。
それが可能な人だ。


私のことだけを一生愛してくれて、ささやかな幸せを与えてくれて、毎日笑って一緒に暮らせる人。


案外理想って高くないほど、その相手と巡り合える確率は低いのかもしれない。
そういう人ほど、相手がいることが多いから。


当然鈴木主任にも、相手がいたりする。
おまけに婚約中ときたものだ。


せっかく理想の相手と巡り合えたと思っていたのに、鈴木主任には大学時代からずっと付き合っている彼女がいる。それが今では婚約者。


ひっそり想いを寄せているだけで満足していたけど、さすがに婚約したと聞いてからは、少しずつ諦める準備をしているものの……恋心は簡単に消えてくれそうにない。



「小野寺さん、どうもありがとう。ひとりでやっていたら、もっと時間がかかっていたよ」

「いいえ、そんな。気にしないでください」


ふたりでやったおかげで三十分程で終了。

無邪気な笑顔で見つめられると、目を合わせていられなくなる。
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