次期社長の甘い求婚
最初から分かっていた。
鈴木主任にとって私は、ただの部下でしかないと。


それどころか完全恋愛対象外の“妹みたいな存在”だなんて――。


もうどんなに彼のことを想い続けても、この気持ちが報われることはないのだと、再認識させられ、そして打ちのめされた。


「だからこうして小野寺さんとふたりで、飲みに来れて本当に嬉しいんだ」

「……私もです」


私、ちゃんと笑えている?


せっかくここまで楽しい気分で飲んできたっていうのに、台無しにするわけにはいかない。


「これからも小野寺さんには仕事上、迷惑かけてしまうことがいっぱいあると思うけど、よろしくお願いします。あっ!! もちろん俺のことも頼ってね。まぁ……頼りない上司だけどさ」


「ありがとうございます」


頑張って頬を上げると、鈴木主任は嬉しそうに微笑んだ。


ついさっきまでは夢じゃないかって思っちゃうほど幸せだったというのに、今はこれでもかってくらい現実を突きつけられている気分だ。
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