幼なじみが父親宣言。

智史の葛藤

俺は、俺達が付いた嘘のせいで、流さなくても良い涙を流させているとは露知らず、野乃の家の前で悩んでいた。

チャイムを鳴らそうか、止めようか。

さっき教室に迎えに行ったら、野乃はもう帰った後だった。

今朝も避けられたし、ここは何もアクションを起こさず、守りに入った方が良いのだろうか。

そんな葛藤から、インターフォンを押せないでいる。

「多分、家にはいると思うんだけど……」

家の前を、ウロウロウロウロ……。

不審者丸出しの俺。
< 31 / 118 >

この作品をシェア

pagetop