幼なじみが父親宣言。
私は、部屋を出て、お母さんの部屋に向かう。

(勝手に入るのは気が引けるけど、ちょっと失礼します)

そして、お母さんのクローゼットの中をざっと見渡した。

「あ、あったあった」

私は、1枚のワンピースを手に取った。

丁度、今咲き誇っている、桜と同じ色のワンピース。

私にしては珍しく、可愛らしいデザインだった。

「お母さんに貸してそれっきりだったんだ……」

私とお母さんは体型が似ているから、服の貸し借りをたまにしていた。

「私が着てるのを気に入って、貸してくれって駄々こねたんだっけ」

その時の事を思い出して、ふふふと笑う。
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