幼なじみが父親宣言。

廊下の突き当たりにある社長室。

｢ん？｣

近くに行くと、社長室のドアが若干開いていて、ボソボソと話し声が聞こえる。

｢来客中なんじゃねぇ？｣

｢そーかも｣

ちょっと覗いて、そうなら応接室に戻って待っていよう。

そーっ……と、ドアの隙間から中を覗く。

ん？

中には、お母さんと大手町さんしかいない。

｢お客さんじゃないみたいよ｣

｢そーなん？｣

中に入ろうとドアノブに手をかけた時、

｢社長、いけませんよ｣

｢ふふふ、いいじゃなーい｣

と言う声が聞こえて、ピタッと止まる。

智史と顔を見合わせた。