春色プロポーズ

高島はる。二十五歳。

身長百五十四センチ、体重……さ、最近測ってないからパス。

肩に触るくらいまで伸びている髪はくせっ毛で、これは母からの遺伝。

父は自営業、母はそのお手伝い。三つ歳の離れた妹は昨年結婚して広島暮らし。

私は三年前の就職を機に実家を出て、今は大学の同級生で会社の同僚の三宅悠一郎、通称悠くんと同棲している。

悠くんとは大学の『読み聞かせ同好会』なるもので出会い、保育園や幼稚園、子供会のイベントなどへ読み聞かせに行ってるうちに意気投合。彼から告白されて、付き合うことになった。

ふたりとも本が好きで、就職先は本に関わるところと決めていたら、偶然同じ会社に就職。県内に何件もあるチェーンの本屋で、そこの本社で働いている。現場(ショップ)で働きたいと思うこともあるけれど、時々イベントの補助要員に呼ばれ本に触れ合えるから、今はそれで良しとしている。



< 2 / 15 >

この作品をシェア

pagetop