毒舌王子に誘惑されて
プロローグ
「春からシンガポールに赴任が決まったんだ。 俺と一緒に来てくれないか?」

その言葉とともに贈られたあの指輪を、素直に薬指にはめていれば・・・

迷うことなく、はいと返事をしておけば・・・

差し出された彼の手を取っていれば・・・


私は幸せになれていたのかな。


女の人生、それが正解だったのかな。



その答えは今もわからないけど、私は今日も流行りのファッションに身を包み、7㎝のヒールを履いて職場に向かう。


立ち止まるのが怖くて、ゴールがあるのかもわからない道をひたすらに突き進んでいた。
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