吸血鬼に甘い鎖を
「…サキ!!!」



夕食中に見えるのは
走りよってくるリヴィア君の
顔だった。




「どうしたの、リヴィア君」



息を切らして
ハァハァと
私の目の前で
しゃがみこむ。




「よ、よかったっ…。

怪我もないみたいだな」




そういって私の手をとる。




その様子に怒ったのは
隣に座っていたクロト君だ。



『…おい、その手を離せよっ』



「なんでだ?


怪我がないか確認しただけだろう」



『…まったおまえは
いちいちムカつくことを…!!』


クロト君の怒りのオーラが
だんだん強くなる。





「そもそもサキに
あのことを教えてやったのは
俺なんだ。

少しは感謝してもらいたいね」





『誰がするかっ!

おまえには一生敵意しか
わかねぇな!』



あーああ…
また始まっちゃったよ…。



「元はといえばおまえが
サキを危ない目にあわせたんだろ?

おまえが勝手に決めて
サキを一人にしようとなんて
しなければ…!!」

…!!!

リヴィア君の言う言葉の続きを
私は思わず止めてしまっていた。


「待って」





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