吸血鬼に甘い鎖を
「…わかってるよ、そんなこと」


泣きそうになっていたのを
こらえてリヴィア君を見た。


リヴィア君は微笑してから
私のほほに触れる。




「…俺もヤキが回ったかな」



「え?」


私が首をかしげると
そっと額にキス。




「おまえが好きなのに
クロトの味方なんか
してんだからよ」


「ちょっ…リヴィア君ッ!」



リヴィア君はイタズラそうに
舌を出して



「これくらいいーだろ。


おまえだって俺が
好きなこと知ってるくせに
無防備だし。


おまけにクロトいなくて
泣きそうなサキ見たら
キスの一つもしたくなるって」



「…私のせいなの?」



「別にそうは言ってない。

ただそんだけ、
おまえが可愛いってこった。


クロトにやるのは
惜しーなぁ。


やるつもりはないけど」




私は思わずその言葉に
笑ってしまった。



「ぷっ・・・」



「なんで笑ってんだよ」



「…ううん、なんか
今まですっごい悩んでたけど
今の会話でなんかほぐれたなぁって。


元気もらったよ、ありがと。
リヴィア君」


その言葉にリヴィア君は
目を見開き
頭を抱える。



「…だからそーいうのがさー…」



「え?」



「…別に。

そんじゃ行きますかね、リリーナのとこに」




「うんっ!」
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