吸血鬼に甘い鎖を
「…俺と一緒に来るか、サキ」




…え?

急にまじめな口調になった
リヴィア君。



うつむいて、真剣な瞳で
私をしっかりと見つめる。




「…あいつが…。
あいつがおまえを泣かすぐらいなら、
俺が…」



そういって徐々に
私に近づく。


ドキン…!


…り、リヴィア君…?



ついに頬に触れて、
唇が触れかけたときだった。






バタンッ。




『おい、リヴィア!』




バッ。



リヴィア君がさっと離れて
私もなぜかクロト君の方を向けずにいた。





「…クロトか。
せっかくいいとこだったのに
邪魔してくれやがって」



『知るかっ!
つーかおまえ!
咲になんかしてねぇだろうな?』



「おまえに泣かされるぐらいなら、
サキは俺がもらってやるって
言ったんだ」




「…ちょ、リヴィア君…!!!」




クロト君の顔が不安そうになって、
私を見つめる。




『…咲…?』




「…なんでもないっ」




「なんで嘘つくんだ、咲。
おまえが我慢することねぇだろ?」




「嘘じゃないッ!!!」
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