恋に目覚めたシンデレラ


「心配は不要です」


「副社長は何を焦っているんですか?」


「早く成果を出したいそれではいけないですか?今は長話しをしている暇はない。仕事に専念させて下さい」


「……分かりました」



専務は出て行った。

専務の言う通り早く成果を出すために急いでいるのは事実だ。
先日、海外にいる父親から電話があった。
親子の話しではなく仕事の話しだ。
その場に一緒にいた専務も社長からの話しの内容は知っている。


暫くして専務がその場を離れた後も社長との話しは続いていた。そして今度の仕事を成功させる代わりにある条件をこちらから付けた。



「晃、珍しいな。与えた仕事の報酬に条件を付けてくるなんて。……その娘余程大事らしいな。
今までお前がそんなに必死になったことなんて一度もないんじゃないか?涼しい顔をして何でもやってのける面白くもないヤツだと思っていたが……その条件に見合うだけの成果をあげてみろ。楽しみにしているぞ」


父の言う通り今までこんなに必死になったことはない。
それほどまでに俺は彼女を欲する、いつまでも傍にいてほしいと求めてしまう……








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