恋に目覚めたシンデレラ

翌朝。

「おはようございます。体調はどうですか。どこか調子が悪くなってはいませんか?」


「おはようございます。なんともないし大丈夫です」

「そうですか良かったです。今日もリビングで洗濯が終わるのを待つつもりですか?」


「そのつもりです。今日は本でも読みながら待つことにします。
きっとそれなら眠くならないかもしれないし……多分大丈夫です」


疑わしそう見られてつい自信なさげな返事になってしまった。

「そうですか。うたた寝しないようにしてください」

「はい、気を付けます。……あっ上着を持ってくるのを忘れました。家を出る前にお返しますね」


朝食が済み一度自分の部屋に行き鞄と上着を持って晃さんの部屋のドアをノックすると中から声がした。


「今、手が離せないんです。中に入って貰えますか?」


葵がこの部屋に入るのはあの日以来。

「失礼します」

中に入ると晃さんは背中を向けていた。
ネクタイを締めているのが鏡越しに見える。

「契約続行の書類ならそこにあるのでどうぞ持っていって下さい」

「お借りした上着を返しに来たんですけど。契約続行の書類って……?」

振り向いた晃さんは驚いたようだった。

「葵さんでしたか」



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