藍色の瞳
「若」
店を出た後、理玖さんが不意に柊雅さんを呼ぶ
「あ?」
「どこかに寄られますか?」
「……」
まだお昼だから繁華街にある店はほとんど開いている
夜になったら賑わう店も夕方までしか開いていないメガネ屋や携帯ショップ、駄菓子屋さんも…
何も答えずに私に視線を向けた柊雅さん
きっと、私に聞いているんだろう
『お前はどこかに行きたいか』と
「私は特に…」
その視線の意味が分かった私も服屋の店員さんのようにエスパーなのかもしれない…
なんて馬鹿なことを思ってしまう
「じゃあ帰ろうか」
柊雅さんも特に長居する用はなかった様で、理玖さんは車を取りに行ってしまった
「………」
「………」
理玖さんが行ってしまったことにより、必然的に2人きりになってしまった私達
腕を組んで壁に寄りかかり、目を閉じてしまった柊雅さんに話しかけられるわけもなく
私は数メートル離れたところでボーっとしていた
……今日は空が綺麗だな
空気も澄んでいて、思わず深呼吸したくなる
そっと目を閉じた時だった
「ふぇ……ふっ
うわぁぁぁん」
子どもの泣き声が微かに聞こえた