私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 学校と俺んちに行くまでの道を少し逸れたところに宮田の家がある。

 前に1回一緒に帰った時、あっさり教えてくれたから知ってただけだ。

 一応バカふざけでついて来るやつがいないのを確認して、今は宮田の家の前。

 門の外のチャイムを押してしばらく待つ。だけど、返答もなければドアが開く様子もない。

 よく見れば玄関の隣にもチャイムがある。

 図々しいかもとは思ったけど、駐車場の方から玄関の前まで行って、もう一度チャイムを押した。

 だけど、やっぱり返事もなければドアも開かない。

 まぁ、会ってくれるわけないか。

 諦めて背を向けたその時、かちゃっとドアが開く音がして、振り返る。

 ドアにチェーンをした状態だけど、ドアの向こうには宮田がいて、少し驚いた。

「…よ」

「…」

 なんだよ。よって。宮田も頭下げてるし。

 なんか、宮田ってこんな顔だったっけ。

 いや、違う。

 前はずっと笑顔だったから、他の表情を知らなかっただけだ。
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