私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 志季のたまり場に到着すると、商店街の人通りがないところにあるからもうみんな糸が切れてぐだっちゃう。

「づかれた…」

「あのおばちゃん容赦ねぇ…」

 座り込んで弱音を吐く男の子たち。

 夜な夜なケンカしてた男の子たちをここまで疲労させるなんて、流石お母さんたちは強い。

「おい、片づけしてから座れ!」

「っだ!?」

「夏樹、動くから蹴るな!!」

 そんな中でも元気な夏は台車を引っ張りながら座り込んでる男の子たちの背中をボカボカ蹴る。

 そんな夏に慌てて動き出す男の子たち。

 夏は裏のボスだよね。絶対。

「あきなっち。はいこれ今日の売り上げ」

「うん。了解」

 さーちゃんこと沙緒(さお)から今日の暴走の売り上げを預かる。

 さーちゃんはひまっちと一緒にいたんだよね。さーちゃんは子どもと言うより大人相手にする方が得意みたい。
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