龍神×紅蓮
「なのに、生きてたって…1週間経っても信じられねぇ…」
蓮華は困ったように眉を潜めて笑った。
そうだよね…
10年間、死んだと思ってたお父さんが実は生きてましたって、普通有り得ないもんね…
「喜ばなきゃいけねぇはずなのに、喜んでいいのかすら分からねぇ」
蓮華…
今の蓮華には総長の時の強さはない。
か弱い少年のようで…
「今度、2人でゆっくり話してみたら?そしたら少しは楽になると思う。蓮華も…お父さんも」
翠さんだって、きっと辛かったはず。
生きていると言いたくても言えず、会いたくても会えなかったんだから…
「…あぁ、そうだな」
翠さんにはあたしから話しておこう。
これで、最後にしよう…
「あと1つ…」
ん?
「俺さ…」
そこで一度言葉を区切ると、あたしと向かい合う形に座り直した蓮華。
改まって何?
蓮華らしくない。
「俺、希の事が好きだ」
「…え」
何の冗談…って思いたい。
でも、蓮華の目を見たら分かる。
…冗談じゃないって事くらい。
「俺の女になってくれ」
でたよ、蓮華の俺様…
嬉しい…