暴走族と捨てネコ。
第1章
ここは------、何処なのだろう。

ザーザーと降る雨のなか、私は全く知らない街をさ迷い歩く。

すれ違うサラリーマンや水商売の女の人達は、私を見てはいけない人のように避けて歩く。

これじゃ道も聞けないじゃないか…



でもたぶんそれは私がボロボロの格好をしているからだろうけど。

さっき、お店の窓ガラスに映った自分の姿を確認したが、それはもう酷かった。

全身が汗と雨でびっしょり濡れ、髪はボサボサで、体のあらゆる所には泥などの汚れとたくさんの傷痕がある。
顔色も悪く、まるで病人のようだ。

しかも靴もはいておらず、裸足だ。



でも私はなぜ自分がこんな姿なのかもわからない。

何処からここまで来たのかも、だ。


手荷物はほとんどなく、あるのは僅かなお金だけだ。

ケータイもなく、お金もホテルに泊まれる程はないので、どうすればいいのかわからない。


知らない街。

知らない人。

自分のことさえもよくわからない。







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