よく分かる桃太郎の攻略法
「モモセ…お前…」

「エンジュ。その先は言ってはいけませんよ。

 きっとモモセだって自分で分かっているはずです」



はいはい、分かってますとも。

だからこそ、穴があったら入りたい気分だ。

三人からの同情を含めた呆れた視線が突き刺さる。



昼食にしようと、近くにあった店に入って、美味しそうな食事にありつけると思ったのに。

今はちっとも幸せな気分になれりゃしない。



「あそこの馬は…2頭で良いな」

「そうですね。モモセは私が共に乗せましょう」

「何でフォードなんだよ!

 モモセは俺の馬に乗せるからな」



そう。さっきの牧場で。

私は落馬をしてしまったのだ。

いや正しくは、馬に乗ることさえ出来なかった。



そう言えば私がこの世界に飛ばされたのも、バレーボールが顔面に当たったからだったっけ。

ドジなんだね、私。

知ってたけど。
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