囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
こんなのはちょっと許せない。

単純に腹が立っていた。下僕根性で、ご主人様をコケにされた気がしたからだ。

「カチョー、私ちょっと行って…」

ところが彼はフッと笑んで、憤る私を引き留めた。

「いいんだ……『遊んでる』は語弊があるな。彼女は昔からあの男に恋をしていてな…案外頑固なお嬢様だ。

それより…四葉…こっちへおいで」
「?」

妙に優しく、彼が私の名を呼んだ。

言われるままに彼に近づくと、初めて見る蕩けそうな笑顔を向けた。


そして___

「かちょ……お……」

彼が私の手をぐいっと引きよせ…
柔らかいものが、唇を塞いだ。

「ん……四葉…」

心地よさげに囁く声に併せて、唇を舌先でなぞり始める。
「や…」
胸を突いて離れようにも、強い力で羽交いにされた。

「今夜のお前は…可愛いな」
ヌルリと舌先が唇をこじ開けた。咄嗟に噛んだ歯に構わずに後頭を首から掴み、更に深く、押し付ける。

血とアルコールが混ざった味。

息もつけない強引なキス。


「ふ…うあ…」

苦しくって、ドンドンと背中を叩くと、ようやく彼が顔を離した。

「な、何を……するんですかぁっ」

涙目に、彼に抗議する。

彼は不思議そうに首を傾げた。
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