囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「何って…何故怒るんだ?」
「あったりまえ…私の…初めての…こんな」

当て付けみたいな…

言いたくっても声にならない。


しかし彼は。
「お前、俺が好きだって言ったじゃないか。嬉しくは…ないのか?」

心底不思議そうに、キョトンとした目でこちらを見た。

この人は……

「す、好きですよ!好きですとも!
でもね。こんなのは…嫌です‼」 

バシッ。

気が付けば私は、後先も考えずにあの恐ろしい藤城課長の頬を張っていた。

“シモベ” に不意打ちを喰らわされた彼は、なおもポカンと私を見ている。 


「う、う、うわーーーーん‼」

私はまたもや号泣とともに、走ってその場を逃げ出した。

慣れぬヒールの片方をその場に落として。
 
「…何で…叩くんだ?」
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