囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
彼が去って2人きり___

気まずい雰囲気が部屋をおおった。

「四葉…何でアイツを庇った」
「そういうわけでは…」

「何も、されなかったか」
「特には」

「あれから会場に戻ったが……逃げた四葉が気になった。なぜ逃げる?」
「……」

ご主人様の仕打ちに、心が折れそうでした…とは言えない。

「……ビックリしたので」
私は嘘をついた。

彼は“得心がいかない”といったふうに首を傾げ、話を変えた。

「さっき……アイツとお前の姿を見たとき。俺は無性に腹が立った。何故だ?」
「エ……?」

私に問うというよりは、自問しているようだった。

再び沈黙。

彼はまたもや自問する。

「これは嫉妬だろうか。なあ、俺は嫉妬してるのか?」
「………」

回答を持っていない私は、黙り込むしかない。
すると彼は、ピタリと視線を私に向けた。

「四葉。
俺はお前が……好きなんじゃないんだろうか?」

「え……」

私は驚き、顔をあげた。
彼は不思議そうに私を見つめ、そうして一人合点した。

「多分……そうだ。何かで読んだ。特定の異性の様子が気になるのは“好きだ”という感情だ」
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