囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
さらに、私の憂いはもうひとつある。
彼が嬉々として教えてくれた。
彼は1年後くらいには、本社の専務に昇格し、グループ経営に加わることが決まっている。
そこで経験を積んで、2、3年後には結婚し、父親の会長就任とともに、実質グループ全ての頂点に立つという。
「それからだ」
掌を仰向けの顔上に伸ばし、ギュッと拳を握る彼。
その横に添う、私の心は複雑だ。
その時、私は一体どうなっているのだろう……
と、不安な気持ちが顔に出たのか、彼は私を抱き寄せた。
「…心配するな。お前はずっと俺の側にいればいい。誰にも文句は言わせない」
「そ…うですよね~。借金を払い終えないとね~」
フザケ気味に返してみる。
彼は驚き目を見開いた。
「借金なんか忘れていた。
あれはもう、返さなくてもいいぞ。
契約書だって返してやるし、使用人も止めていい」
私は焦って大声を上げた。
「そういう訳にはいきませんよ!」
「?」
だってね、あれは免罪符。
例え貴方が私に冷めてしまっても、
結婚しても
遠くに行ってしまっても
貴方の側にいられる言い訳。
彼が嬉々として教えてくれた。
彼は1年後くらいには、本社の専務に昇格し、グループ経営に加わることが決まっている。
そこで経験を積んで、2、3年後には結婚し、父親の会長就任とともに、実質グループ全ての頂点に立つという。
「それからだ」
掌を仰向けの顔上に伸ばし、ギュッと拳を握る彼。
その横に添う、私の心は複雑だ。
その時、私は一体どうなっているのだろう……
と、不安な気持ちが顔に出たのか、彼は私を抱き寄せた。
「…心配するな。お前はずっと俺の側にいればいい。誰にも文句は言わせない」
「そ…うですよね~。借金を払い終えないとね~」
フザケ気味に返してみる。
彼は驚き目を見開いた。
「借金なんか忘れていた。
あれはもう、返さなくてもいいぞ。
契約書だって返してやるし、使用人も止めていい」
私は焦って大声を上げた。
「そういう訳にはいきませんよ!」
「?」
だってね、あれは免罪符。
例え貴方が私に冷めてしまっても、
結婚しても
遠くに行ってしまっても
貴方の側にいられる言い訳。