囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
 私を中心にして、ドーベルマンが3匹、その廻りに黒ずくめの男達ちう、2重の輪が出来上がる。

 ジリッ。
 黒い男達が、私に向かって距離を詰めてくると、円の半径が縮んで、3匹は私の身体に張り付くように身を固めた。

 ガウウ……ワンワンッ!

 果敢な威嚇をものともせず、胸ポケットに手を忍ばせて近づいて来る彼らに、ワンちゃん達は勢いをなくし、ついには尻尾を下げてしまった。

 朝の遅い家人達は、この騒ぎにも気づかない。

 私といえば、恐怖で声も出ないどころか、とっくにに腰を抜かしてしまっていた。

 とうとう、“クゥン” と情けない鳴き声を上げ始めた彼らを見、先頭の男がニヤりと顔を歪ませた。

 嗚呼、絶体絶命。
 タカトラさん……
 迷惑かけてゴメンなさい。

 私はギュウッと目を閉じた。


 と_____
 

「お迎えに上がりました、奥様」
「……へ?_____」

 恐る恐る顔を上げと、私を取り囲んでいた男達は片膝を折って、一様に頭を下げている。

 ワンちゃん達に至っては、端の男から骨形のオヤツを貰い、とうに尻尾を振っていた。


「ど…どちら様…で?」
 
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