囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
 私の気持ちを読み取って、一番欲しい言葉をくれる、後藤田さんはまるで言葉の魔術師《マジシャン》だ。
 その台詞の一句一句を脳がスポンジになったみたいに吸い込んで、全身に喜びを巡らせる…

 彼のロマンスグレーの風体には、全く似合わないガッツポーズを見つめながら、いつしか私は目尻に涙すら浮かべていた。

 そんな私に、彼は再び “くくっ” っと口元を綻ばせた。

「全く、やっかいな方だ。
 今度のことだって気の効いた台詞ひとつ伝えておけば、奥様がこんなに気に病むこともなかったのに。
 ……そうそう、そういえば。
 あの方、この後貴女を驚かせるような仕掛けも考えているようですよ?」 

 え。
 彼が…
 私のためにサプライズ!?
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