囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「と。そろそろ…か」

 私達は、いつの間にか大きな通りに出ていた。
 彼がポツリと呟きながら腕時計を見た時だ。

 ブウンッ。

 私達が行く歩道の横に、どこかで見たような黒塗りのベンツが横付けする。

「予定どおり」

 彼がニヤッと笑うと同時に、中から黒ずくめの男が顔を出す。

 ナルホド。
 帰る足が、見付けてくれるのを待っていたというワケだ。

「随分と…お探ししましたよ」

 ガチガチに固めているはずの髪を乱し、疲れきった様子で、ナイトウさんが彼にチラリとイヤミを言った。


「ご苦労さん」

 その肩をポンと軽く叩くと、彼は、さっさと自ら扉を開き、後部座席に私を誘《いざな》った。

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