囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「それから、あともう一人」

オオガミさんは人指し指を1本立てた。

「弟さんがいるらしいんですけど…私は1度もお会いしたことないんですよね~」

そのヒトは2年ほど前に問題を起こし、フラりと家を出たきりなんだそうだ。


「ショウマ様は、小さい頃からお優しい方でしたのヨ。ワタクシ達使用人にもそれはそれは…」

途中でアサダさんが割り込んできた。
彼女はどうやらこの弟君のファンであったらしく、それからは延々昔話が炸裂した。

それを半分ほど聞き流し、オヤツの草加煎餅を片手に思う。

ってことは課長、今はこんなデッカイお屋敷にほぼ1人で暮らしているんだ。

ヒトをボロ屋に押し込めておいて、なんてゼイタクなんだろう。

どケチ。

でも、あれ?
家族構成、なんか足らないような気が…

 何か心に引っ掛かりつつも、私はアサダさんのいつまでも終わらない噂話に相槌を打った。
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