囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
第5話 セクハラ接待
「今朝は車で行く。お前、運転手やれ」
「エエッ?」

とある朝、朝食を準備していると、珍しくシャッキリ起き出してきた藤城課長が唐突に言い出した。

相変わらずの無茶振りだ。

彼は今、実質1人でこのお屋敷に住んでいるので、私はこれまで彼のお世話しかしていない。

たまに帰るという妹さんにも、まだ会ったことがない。
ワガママなうえに人使いが荒いから、彼だけでも死ぬほど大変なんだけど。

 
「む、無理ですよ!カチョーのおベンツなんて。ぶつけちゃったらどーするんですかっ」

慌てて拒否る私に、彼はニッコリ微笑んだ。

「ぶつけたら給料ダウンだろ。ところで、オマエに拒否権は?」

「……ハイ。ございません」

「良し、いい子だ。
いいじゃないか、お前も交通費浮くんだし」

それ以上の出費になりかねないじゃないか!

コーヒーとパン、サラダの簡単な朝食を出しながら、私は改めて決意を固めた。


一刻も早く借金を返す‼
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