囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「いつも……そうだ。
 アイツは突然試験を始める。

…こないだの“センセエ”もそう。部下も知恵も貸し与えないで。
…俺が1人でどう乗り切るかを、雲の上で、嘲笑(わら)いながら眺めてるんだ」

「………」

いつも強気な藤城課長。
愚痴ともつかない泣き言を聞くのは初めてだった。

彼の父親であるグループ総師は、随分強烈なヒトだという。

“センジンの谷に突き落とす” 教育なのだろうか。

突き落とされる獅子の子にも、言い分はあるんだろうにな…


この家はキレイでデッカイけれど、やはりどこか冷ややかだ。

もしかしたらカチョーは、小さな時からこのボロ狭い場所に、逃げ込む事があったのかも知れない。

ホンの一時の休息を、温かさを求めて……

だからって、私と80のお婆ちゃんを一緒にされても困るんだけどね。


「課長…カチョー?」

「………ぐー」

「ちょっと、ここで寝ないで下さいよぉ~、カチョーってば‼」
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