囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
第9話 家政婦はミタ!
お正月休みも終わると、私の仕事は少し楽チンになった。
藤城課長が “配慮” してくれたのだ。

メイドさんが4人になったし、釘を刺されたレイカ嬢はあまり無茶を言わなくなった。

私も無茶な節制は止め、徐々に仕事とのペース配分にも馴れたから、もう倒れるようなていたらくはしていない。


平常モードに戻ったその日。
仕事から帰って家事をこなし、私はお風呂をいただいていた。


カッポ~~ン。

フー…ゴクラク、ゴクラク。



オヤジ臭い独り言を呟きながらチャプンと白湯に浸かり、1日の疲れを癒す。

やっと落ち着ける、一人っきりのこの時間は、私にとって至福の時。

だけど、近頃はいつもお正月のあの出来事を考えてしまっている……

あれ以来、私の中の何かがおかしい。


あの、冷酷無比な藤城課長がオンブで私を運んでくれて、手ずからに看病し、終にはオカユまで作って食べさせてくれた。

あれは一体、どういう風の吹き回しだったのか。

数々の御奉仕により情が芽生え、彼の中の私の立場が
“シモベ” ↗ “使い魔” 
くらいにランクアップしたのだろうか?

私への扱いは、以前より明らかに優しくなっている。
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