囚われのサンドリヨン ～御曹司様のご寵愛～【番外編を追加しました】

数十分後。

「ぎゃっはっは……マジか⁉ソレ」

酒の勢いとはオソロシイ。
気がつけば、私は彼に泣きついて全てをカミングアウトしてしまっていた。

失礼なコトに藤城課長は引き笑いでは止まらずに、ハラを抱えて笑っている。
　
「笑い事じゃないですよぅ…ヒクッ」


「いや悪い悪い、今時そんなヤツが…ｸｽｯ。ホントにいるもんだと思ってな。しかもこんなに身近に、あ～可笑しい」

こんなに表情豊かに笑う課長なんて初めて見た。

が、ヒトの不幸を嘲笑うなんてヒドイ！

ひとしきり笑った後、彼はようやく居ずまいを正し、まだ笑い足りないのを我慢して真顔をつくってみせた。

「で？会社辞めて……今後どうするつもりなんだ？…クッ」

笑うなっ‼

私は半ばヤケクソに、営業スマイルとともにプリクラを貼ったピンク色の、店の名刺を差し出した。

「ハーイ！源氏名は
『甘く溶かしてキャンディーちゃん』
カチョーもご指名ヨロシクぅ！
な～んちゃって、テヘッ♥」

「…………」


……メッチャ退かれた。