囚われのサンドリヨン ～御曹司様のご寵愛～【番外編を追加しました】

ただでさえ美声・美形・美スタイル、3拍子そろったあのお人は、その上リッチなお金持ち、遊び馴れした経験で、熟成した大人の色気を振り撒きまくっている。

いつもは冷酷かつ居丈高なくせに……
急に優しくされてですよ？

免疫不全の私が毒気に当てられないはずもないじゃないですか！

まずい。

ものすご～くまずい。

私はこれまでの人生で、小学校3年生を筆頭に、最近では香河センパイまで、たくさんの恋をしてきた。
全部言い出せないままに、片想いで終わったけれど。

似ている…
てか、このソワソワ感はおんなじだ。

イヤイヤ違う、そんな事なーい！

急に気恥ずかしくなり、フルフルと頭を振ってから、頭を切り替えるべく湯殿を眺める。　

古代ローマ風の温泉ほどの広い湯船に、乳白色の香湯は、3人しか使わないのが勿体ないほどのゼイタク品＿＿＿

残り湯だろうと構わない。

今だけ私、クレオパトラにでもなったみたい。
バラの花びらでも散らしてみたい。