囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
その時、

「僕だよ?運んだの…途中までだけど」

後ろに控えていたもう1人のカチョーが口を開いた。

うえっ⁉…し、しゃべった。

よく見るとさっきのダビデ像はこっち。ナンと腰タオルのみの姿だ。

対する本物のカチョーは、暖かそうなナイトガウンを着込んでいる。

「君、お湯の中で倒れてさ。
溺れちゃうだろ?僕が引き上げあげてたんだよ。お姫様抱っこでこうやって。
…途中で駆け下りてきた兄さんに奪われたけど」

兄さん?もしや……

「お前は黙ってろ‼」
藤城課長が後ろに向かって怒鳴る。

「ショウマ…様?」

彼は嬉しげに微笑んだ。

「へぇ、僕の事知ってるんだ」

そうだ、
藤城課長の弟のショウマ様。
確か2年前に家族間のゴタゴタで家を出たって聞いてたけれど……

待てよ?運んだってコトはですよ?


ハダカ(男)×ハダカ(私)×カチョー(男)

…………。

「あの~…見ちゃいましたよね、やっぱり」

私は2人を交互に見た。
ショウマ様は、ニコリと笑う。

「そりゃもう。トップからアンダーまでしっかりと……モガガっ」
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