囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
…あわわ、まずい。
慌てて逃げようとした時、また声が聞こえた。
「…お前は良くても、周りが黙っていない筈だ」
再び深い溜め息。
「シツこいなあ……そんなに心配なら、イイコト教えてあ・げ・る」
声の調子は、もう楽しげな口調に戻っている。
「父はね、2か月後の自分の70周年生誕祭(つまりお誕生会ね)で、兄さんの正式な婚約と次期総師としての披露をするつもりさ。
……安心した?」
「何でお前がそんな事を!
後藤田か?お前、まだヤツと何か企んで…」
「ないよ?『このままでいいのか』って、
アイツが勝手にケータイ掛けてきただけだ。
“いいよ”って言ってやった。
じゃあね、兄さん」
「まてっ、まだ話が…」
今度こそ、振り返らずに歩きだす。
跡目争いというやつか。
2人は、仲悪いなんてもんじゃない、思いっきりゴタゴタしてるんだ。
考え込んでいたところに扉が開いた。
「うわっぷ」
勢いで後ろに倒れた私。
シマッタ!
「あれ?君…」
「わわわ…す、スミマセンっ。決して盗み聞きするつもりでは…」
逃げ損ねた私は四つ這いに後ずさる。
慌てて逃げようとした時、また声が聞こえた。
「…お前は良くても、周りが黙っていない筈だ」
再び深い溜め息。
「シツこいなあ……そんなに心配なら、イイコト教えてあ・げ・る」
声の調子は、もう楽しげな口調に戻っている。
「父はね、2か月後の自分の70周年生誕祭(つまりお誕生会ね)で、兄さんの正式な婚約と次期総師としての披露をするつもりさ。
……安心した?」
「何でお前がそんな事を!
後藤田か?お前、まだヤツと何か企んで…」
「ないよ?『このままでいいのか』って、
アイツが勝手にケータイ掛けてきただけだ。
“いいよ”って言ってやった。
じゃあね、兄さん」
「まてっ、まだ話が…」
今度こそ、振り返らずに歩きだす。
跡目争いというやつか。
2人は、仲悪いなんてもんじゃない、思いっきりゴタゴタしてるんだ。
考え込んでいたところに扉が開いた。
「うわっぷ」
勢いで後ろに倒れた私。
シマッタ!
「あれ?君…」
「わわわ…す、スミマセンっ。決して盗み聞きするつもりでは…」
逃げ損ねた私は四つ這いに後ずさる。