噂の年下男






寿司屋に着く前に、ふとポスターが目についた。

白色の背景に、黒色の文字で書いてある、『F 2nd album ーwhiteー』。

その下には、四人の男性。

あたしは反射的に目を逸らした。






だけど……






「F、すごいよね」




たーくんが言う。

あたしはどきりとする。




「碧、かっこいいよね」




あたしは逃げたくなる。





震える声で、たーくんに聞いてみた。




「もし……

あたしが碧と知り合いだったら……?」




たーくんは複雑な表情を浮かべて言った。




「……自分が恥ずかしくなる」





やっぱりそうだ。

今までの彼氏と、たーくんも同じだ。

絶対……

絶対に蒼のことはバレてはいけない!!




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