噂の年下男
「それに……弟さんに会えて、泣ける思いです」
蒼に会って泣く?
じょ……冗談じゃない!
「……と思ったのですが、彼は恐ろしく天然で笑ってしまいました」
やっぱりこのオチか。
そうだよね。
Fの碧としてカッコつけてるけど、蒼は大馬鹿者。
恥ずかしいよ、馬鹿な蒼を知られてしまって。
あたしは苦い顔で竹本さんを見た。
竹本さんは笑顔であたしに言う。
「今日はありがとうございました。
今後も機会があったら、Fのことを教えてください」
なんでそうなるの?
あたし、Fなんかに興味ないのに。
……ないの?
……本当にないの!?
「優弥さんとお幸せに」
そう言ってくれた、優しい竹本さんに深々と頭を下げていた。