若の瞳が桜に染まる
「と、とにかくありがとう!参考になったよ。
それじゃあ、また」

そんな空気に耐えられず、今日のところはここで退散することにした。

階段まで戻った我久は、溢れそうな嬉しさを控えめなガッツポーズのみに抑え、平常心でオフィスに入った。

それでも、席につくと、良い情報を仕入れられたようだなと吉田にすぐにつっこまれた。
表情やまとう空気からは嬉しさが駄々漏れだったようだ。

そうして、運良く訪れた奇跡のような幸せを噛み締めながら、我久の一日は過ぎていった。

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