クジ引き
同級生
結局何もわからないまま、あたしたちはショッピングモールの中をうろついていた。


今日はもうサボってしまったし、朝日が着る服が必要だと思ったので少し買い物をすることになったのだ。


「お父さんの部屋着で外に出るの、抵抗があったでしょ？」


灰色のスウェットでここまで来てしまった朝日にそう聞く。


朝日は少し笑って「ついて行かなきゃって思ったら、自分の格好なんてどうでもよくなったから」と、言った。


「もしかして、相手から離れるなって言われてたりするの？」


そう聞くと、朝日は首を傾げた。


「そんな記憶はないよ。でも、あまり離れない方がいいのなかって思って」


朝日は少し口ごもりながらそう言った。


その頬は少し赤らんでいて、あたしもつられて顔が熱くなるのを感じた。


「そ、そうなんだ」


そう言い、朝日から視線をそらせた。


その時だった。


前方から見知った顔が歩いてくるのが見えた。


クラスメートの竹田文哉（ﾀｹﾀﾞ　ﾌﾐﾔ）と林そらだ。


2人とも私服姿で、どうやら学校をサボったらしいと言う事がわかった。


「あれ、彩花？」


文哉があたしに気が付いてそう声をかけて来た。
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