クジ引き
咄嗟に隠れようと思っても、もう遅い。


朝日としっかり手を繋いでいる所を見られてしまった。


あたしは開き直って2人に手を振った。


「2人とも、サボリ?」


「おぉ~。なにお前、デート?」


そらが珍しい物を見るように朝日を見た。


朝日は戸惑ったように視線を泳がせる。


ここは彼氏と言う事にしておいた方が説明が楽だ。


「そうだよ。彼氏の朝日。こっちはクラスメートの文哉とそら」


簡単に自己紹介をすると、朝日が小さくお辞儀をした。


「まじかよ、お前いつから彼氏なんてできたんだ?」


そらが驚いたように聞いて来た。


「まだ付き合い始めたばっかりだよ」


朝日の趣味も血液型も何も知らないあたしは、付き合い始めて日が浅いと言う事をアピールしておいた。


「へぇ、結構イケメンじゃん」


文哉がジロジロと朝日を見ている。


文哉もそらも学年の中ではカッコいい部類にはいるけれど、やっぱり朝日の方がカッコいいようで、文哉は少し機嫌が悪くなったようだ。


「じゃぁな」


ひとしきり朝日を眺めて飽きたのか、2人はそう言うと片手を上げて歩いて行ってしまったのだった。
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