クジ引き
キャバクラから出て来た男を捕まえてよかった。


あたしは内心そう思い、笑う。


女にうつつを抜かしている男ほど扱いやすい物はない。


「お風呂こっちだから」


そう言い、あたしはケンイチと一緒に脱衣所へと向かう。


「服、脱がしてあげようか?」


あたしがそう言うと、ケンイチは「まじで?」と、楽しそうに言う。


「うん」


あたしは頷き、ケンイチのシャツのボタンに手をかけた。


その指先は一切震えていなくて、あたし自身が驚いた。


もっと緊張して顔に出てしまうかもしれないと、ずっと不安だったのだ。


だけど今はとても冷静な気分で、落ち着いていた。


ケンイチの上着を脱がせると、鍛えられた腹筋が露わになった。


ケンイチはそれが自慢のようで、スッと背筋を伸ばして腹筋を強調させた。


「すごい筋肉だね」


あたしはケンイチが喜びそうな言葉を言いながらズボンのベルトに手をかけた。


「彩花ちゃんも、脱がせてあげようか?」


「あたしは自分で脱ぐから大丈夫」


伸びてくる手をはたいてそう言うと、ケンイチは残念そうに肩をすくめた。


ようやく全裸になったケンイチに「先にお風呂で待ってて」と囁く。


ケンイチは鼻の下を伸ばしっきりになり、あたしに背中を向けた。


あたしは服をぬぐフリをして……ノコギリと一緒に隠しておいたスタンガンを手の取った。
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