囚われ姫と金と銀の王子
「これはまずいわ・・・」


どくどくと心臓が激しく脈を打ち、嫌な汗が流れて止まらなくなる。


「ナディ、殿下の所へ行きます。至急」

「・・・はい!」


殿下へのお伺いも立てないまま、私はナディと共に部屋を出た。



「ソフィア様、殿下の部屋はこちらに!」



廊下にヒールが忙しなく鳴り響く。

ナディが殿下のいる執務室へと案内し、私はナディの後ろを付いて廊下を小走りで駆けていた。



・・・あれは警告だ。


『命に気を付けよ』と、無言の警告。


私はどうなっても構わない。



けど、殿下にまでその危険が及んだら・・・!


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