明桜歴代番長四代目 悲しき愛の少年
次の集会は猛が小学五年の時だった。

その時は静が受験を控えていたため、両親が二人だけで行った。

両親はその帰りに、事故で帰らぬ人になった。

不思議と涙は出なかったが、静にははじめての憎しみが沸き上がった。

でも、すぐに猛が鎮めた。

猛「明らかにやってくれてんじゃねぇか。上等だ。クソナァローが、全員ぶち殺してやる。」

その言葉と顔に、恐怖すら覚えた。

猛自身、少しはシスコンであると思う。

猛が何かをする時は必ず姉妹の為であった。

だからこの先、姉妹に、自分に、重荷を背負わせた一族に復讐する事は、避けては通れぬ道なのだと割り切ってしまった。
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